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映画ノート

エイドリアン・ブロディ エスケイプ<未> (NEW!)





DVDの予告に入っていて、気になってこっちを先に観てしまった一本。
大破した車の中で目覚めた、記憶のない男のサバイバルを描く
エイドリアン・ブロディ主演、製作総指揮によるソリッド・シチュエーション・スリラー。
ストリーミングで観ました。

エイドリアン・ブロディ エスケイプ<未>(2010) アメリカ/カナダ
監督: マイケル・グリーンスパン
出演: エイドリアン・ブロディ/カロリン・ダヴァーナス/ライアン・ロビンズ

崖下の大破した車の助手席で目覚めた男(エイドリアン・ブロディ
ダッシュボードに挟まれた足に激痛が走る。
後部座席には男の死体。車外に投げ出されたであろう人の死骸もある。
どうやら、彼は崖の上から車ごと転落したのだとわかってくるものの
自分は誰で、何が起こったのかまるで思い出せない。
助けを呼んでも誰も来ない崖下の雑木林で、足を骨折した男の孤独なサバイバルが始まる・・というお話。

車から拳銃、トランクに大金をみつけ、自分は犯罪者なのか?と葛藤するというのは
こういったシチュエーション・スリラーの定番ですね。
ただこの映画、よくある犯罪映画とちょっと違うのは
男のサバイバルと精神面の葛藤を主に描いていること。
エイドリアンの演技力でひっぱる映画です。

骨折により身動きの取れない男の行動範囲は限られるため
車から調達するものをサバイバルグッズとしてるのだけど
ここをもう少し斬新なアイディアで見せてくれたら、うんと面白くなったはず。

サバイバルに必要なのが心の支えですが、
今回はどこからともなく現れた犬が、エイドリアンのつかの間の癒しとなります。
途中何度も同じ女性が姿を現し、エイドリアンのフラッシュバックと重なっていくのだけど
これが現実なのか幻覚なのか、はたまた幽霊なのかわからない見せ方。
途中とっつかみあいを始めたのには、観終わって考えても「???」(笑)

ただし、犬の描き方は良かったですよ。
『アーティスト』よりも、犬芸の入れ方も適度でした(笑)

男の正体は何なのか、彼は生き延びることができるのか を飽きずに観せるところは上手い。
ただ、スリラーとしては、もう少しイベントが欲しかった。
展開が緩やかなので、90分という上映時間にも関わらず
引き伸ばしたなぁと感じるところではありました。