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映画ノート

大統領はヴァンパイア・ハンター『リンカーン/秘密の書』

今月のお題「リンカーン」から
リンカーン大統領がヴァンパイア・ハンターとして闘う姿を描く『リンカーン/秘密の書
セス・グレアム=スミスの著書『エイブラハム・リンカーン:ヴァンパイア・ハンター』を
スミス自らが脚本化し、ベクマンベトフ監督が実写化した3Dアクション・ホラー映画です。



リンカーン/秘密の書
2012年(アメリカ)
原題:Abraham Lincoln: Vampire Hunter
監督:ティムール・ベクマンベトフ
出演:ベンジャミン・ウォーカードミニク・クーパー
アンソニー・マッキーメアリー・エリザベス・ウィンステッド
ルーファス・シーウェル



この映画で描かれるのは、ヴァンパイアが普通に存在する世界。
ベンジャミン・ウォーカー演じるリンカーンは、少年の頃母親をヴァンパイアに殺され、
復讐のためにヴァンパイア・ハンターとなります。
その指南をするのがドミニク・クーパー
ヴァンパイアは何故か太陽光も恐れないし、妙に獰猛で強欲。
やがてリンカーンが大統領になるのも、南北戦争北軍を率いるのも、
奴隷を解放するのも、全てヴァンパイア征伐のためという描き方。
『ウォンテッド』などでスタイリッシュなアクションに定評のある監督さんの
3Dによる映像は、切り株描写も満載で、決して悪くないんですが、
なんせ長い期間の戦いだから、結構飽きて麻痺しちゃうんですよね。



これは正直期待したものと違っていて残念だったんだけど
個人的にはまんま時系列どうりに描くよりも
大統領になる前後を中心に描いて
リンカーンの国への熱き想いみたいなものを前面に出したほうが
引き締まったんじゃないかなぁという気もします。

でもまぁ、作家自体が、歴史とホラーの融合で
変わった映画を作ろうという姿勢だから
そういうジャンルとして楽しむのが正解でしょうね。
「大統領がヴァンパイア・ハンターなんてクールじゃん!」というノリで。

家柄も教育もお金もなくても大統領となり、しかも国を統合したという
ひとつのアメリカンドリームとして観ることもできますね。

日本公開は11/1~

★★★