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映画ノート

ケイト・ベッキンセールがS・ストーンの100倍怖い『トータル・リコール』

フィリップ・K・ディックの短編小説を映画化。
シュワルツェネッガー主演、ポール・バーホーベン監督のオリジナル版公開から22年
リメイク作品『トータル・リコール』を観て来ました。





トータル・リコール
20124年(アメリカ)
原題:
Total Recall
監督:レン・ワイズマン
出演:コリン・ファレルケイト・ベッキンセールジェシカ・ビール
ブライアン・クランストンボキーム・ウッドバイン


戦争の果てに環境が荒廃した近未来。工場労働者のダグラス・クエイドは、退屈な日々の生活に嫌気がさし、記憶を売買するリコール社を訪れる。しかし、クエイドが新しい記憶を植えつけられようとしたとき、突然、警官隊が襲来。クエイドは思わぬ戦闘能力を発揮する・・

90年のオリジナル版を予習して臨みましたが
オリジナルを踏襲した導入が終わると、
多くの部分で変更が加えられてることに驚きます。
前作で火星という設定は、地球上のコロニーに、
地球は汚染されていないブリテン連邦を除き、
戦争の影響でガスマスクなしには暮らせなくなっているなど、
近未来の描き方は現実味を帯びたものに。

クエイド(コリン・ファレル)が別の世界に思いを馳せ
リコール社を訪れるという設定や、自分のアイデンティティを模索しながら
強欲な悪と対峙するプロットは大きくくくると同じ。
なのに、本作はまるで別ものに感じるのはSFの世界観がまるで違うから。
コロニーは『ブレードランナー』風の多国籍観
(中国系がやたら多いのは現在ならでは)
地球を貫通しコロニーとブリテン連邦を結ぶ巨大エレベーター風のフォールなど
スクリーンに映し出される未来映像には目を見張るものがありました。

しかし、なんだろな、
内容が進んでないのに、やたらCG満載のアクションを見せられので
途中から退屈し、どうでもよくなるんですよ。
シュワルツェネッガー作品にあったユーモアも殆どなし。
そんな中、空港のセキュリティチェックのシーンは面白かった。
オリジナルと変則的にリンクしてるのがポイント高くてニヤリ。

出演者ではクエイドの妻ローリー役のケイト・ベッキンセールが最高です。
前作で同役を演じたシャロン・ストーンの100倍しつこくて怖い!!
思わず「女ターミネーターかっ?!」とツッコミたくなったけど
彼女の存在がいい刺激剤になりました。


それでも、SFもここまで来たかと思えるほどの世界観を体験できたのは
楽しかったので、アトラクション気分で見るのがいいかも