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映画ノート

ザ・ワーズ 盗まれた人生




ザ・ワーズ 盗まれた人生
(2012) アメリ


【原題】The words
【監督】ブライアン・クラグマン / リー・スターンサル
【出演】ブラッドリー・クーパー / ジェレミー・アイアンズ / デニス・クエイド / オリヴィア・ワイルド / ゾーイ・サルダナ / ベン・バーンズ / マイケル・マッキーン / ルシンダ・デイヴィス / J・K・シモンズ

【ストーリー】
偶然見つけた誰のものともわからぬ原稿を、自分の作品として出版してしまった作家志望のロリー。
本は思わぬヒットとなり金と名誉を手にしたロリーだが、その心は重い。
そんな彼の前に原稿を執筆した本人という老人が現れ。。


現在の作家(デニス・クエイド)の新作発表のリーディングという形で、盗作の作家ロリーと老人の物語が語られます。



若き作家ロリーに製作総指揮も務めるブラッドリー・クーパー
彼の前に現れる老人にジェレミー・アイアンズです。
二人が対峙するシーンはスリリングでもあり、その後の展開に興味が尽きません。
ただ、老人が過去を言葉で語る部分がやや単調なのが残念。
4つの世代を交錯させる作りでもあるのを複雑とし
シンプルならマスターピースと評する人が多いのもわからないではないんですよね。



とは言え、過去の思いが描かれることは必要で、
それぞれの役者の素晴らしさもあり、私はこの深いドラマを堪能しました。
ロリーの妻にゾーイ・サルダナ、ロリーと老人それぞれの哀しいラブストーリーでもあります。
老人の若い頃を演じたベン・バーンと妻の駅のシーンが凄く好き。




書くことに将来の希望を託す者、悲しみを紛らす手段とする者、全てを清算しようとする者
明かされるそれぞれの思いに、言葉の持つ様々な役割を考えさせられます。

最後のシーンをどう解釈するかは観るものに託される形でしょうか。
私は「希望」と受け取りたいですね。
しっとりした好きな作品でした。

3/9からの公開です