しまんちゅシネマ

映画ノート

パトリックは1.5歳






パトリックは1.5歳(2008)スウェーデン
原題:Patrik, Age 1.5
監督:エラ・レムハーゲン
出演:ゲスタフ・スカルスガルド、トンケル・ピーターソン、トム・リュングマン


2009年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で上映された作品です。




ゴランとスヴェンは仲の良いゲイカップル。
彼らは養子を貰い、幸せな家庭を築くことを夢見ています。
ところが、2人の元にやってきたのは大きな男の子。
なんと一歳半(1.5)と15歳を間違うと言う事務的なミスが生じてたんですね。
赤ん坊が欲しいのにパトリックは15歳。しかも不良でゲイ嫌いときた。
さて、どうなるの?という話。

スウェーデンのゲイ事情は知らないのだけど、映画の中でゴランとスヴェンは結婚もしてるところをみると社会的には認められてるんでしょう。
それでも子供たちは意味も分らずに「ホモ、ホモ!」と囃したてるし、地域住民みんながゲイカップルに寛容というわけでもなさそう。

映画は地域住民とゲイカップルの交流をユーモラスに描きつつ、
同性愛者の結婚や養子という繊細な問題に迫る作りです。

2人のうちゴランは見るからに女らしいのだけど、彼が子供を切実に欲する姿は女性の母性に通じるものがあるのでしょう。
家庭に恵まれず、普通の家族が欲しいと願うパトリックの思いも切実。

紆余曲折はありながら彼らが辿りつく結末は、予定調和ではあるけれど温かくてほっこり。
基本長閑で可愛らしい作風で楽しめました。
でもゲイカップルのラブラブ振りに男性は引くかも(笑)