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映画ノート

カイジュウ(怪獣)は世界共通語『パシフィック・リム』




ギデルモ・デル・トロ
監督の『パシフィック・リム』を観てきました。
怪獣と、それに対抗する巨大ロボットがこれでもかのバトルを繰り広げる
豪華絢爛なSFアクション映画です。
パシフィク・リム(2013)アメリ
原題:Pacific Rim
監督:ギデルモ・デル・トロ
出演:チャーリー・ハナム/ イドリス・エルバ/ 菊地凛子/ チャーリー・デイ/ ロブ・カジンスキー/ マックス・マーティーニ / 芦田愛菜/ ロン・パールマン
日本公開: 8/9
海からやってきた怪獣が、各国に壊滅的な被害をもたらす。
太平洋に面した国々(パシフィック・リム)が巨大ロボットを作って、これに対抗する という本作
ウルトラマン』や『ゴジラ』の世界に『ガンダム』を投入したこの世界観は
その世代を生きた日本人にはたまらーーん作品でしょう。

私も人気の芦田愛菜ちゃんが出てるとあって劇場に足を運びましたが、いや~、観て良かった。
IMAX3Dをこれほど堪能した映画は、ほかにありません。

もうね、イェーガーと呼ばれてるロボットの闘い振りや、その操作方法なんかがいちいちツボなんですよ
操縦自体も実際に重装備をした人間2人が、バーチャルゲームっぽいやり方でロボットを動かす。
歩かせるのも健康器具でエクササイズするように、ガシンガシンって足を動かすのね。
しかも操縦者2人はロボットに体をシンクロさせる段階で過去のメモリーも共有する・・・と、
はい、もう「なんじゃそりゃ」だけども、怪獣とロボットを闘わせて世界を救おうという映画に「ありえねー」はもはや禁句(笑)
身も心も少年少女に戻って、イェーガーを応援するしかないですよねぇ。
ちなみに、操縦者の一人マコを演じるのが菊池凛子さんで、彼女の記憶の中に出てくる幼少時代のマコが芦田愛菜ちゃん。愛菜ちゃんは監督も絶賛という泣きの演技で見事なハリウッド・デビューですね。

デル・トロ監督って、私の中では「歴史の中に子供の悲しみを描かせたら世界一」だったんですが、
今回、監督自身が子供の心を失わない大人なんだと気づきました。
おそらくは日本の特撮映画にも熱中した少年時代を送ったのでしょう。
それを巨匠監督になって、こんな馬鹿でかい規模で再現する。ロマンを感じました。

日本の特撮映画を知り尽くしてるであろう監督のオタク振りも炸裂
舞台が香港ということもあって、多国籍なごちゃごちゃ感も面白く
独特なグロさは『イグジステンス』を彷彿とさせる。
命を懸けて人類を守るヒロイックなドラマや興奮は『インデペンデント・デイ』を思い出したり
色んな作品のミックス感はそれはそれでよしでしょうね。




それでも菊池凛子をヒロインに抜擢しイェガーを操縦させるところに
何よりも日本へのリスペクトを感じます。
武道のアクションをこなした菊池凛子はカッコよかった。
凛子さんとイェーガーを操縦する主人公のローリーにチャーリー・ハナム
監督作品の男ミューズ、ロン・パールマンをこう使うかってところにはニンマリ。

ちなみに映画の中で、「怪獣」はモンスターでなく「カイジュウ」と呼ばれています。
もはや怪獣は世界の共通語ですね。

豪華で大迫力の本作、出来るだけ大きなスクリーンで観る事をお勧めします。





トラックバック一覧

  1. 1. パシフィック・リム

    • [Spice -映画・本・美術の日記-]
    • August 04, 2013 00:42
    • パシフィック・リム」の試写会へ行ってきました。 太平洋の深海の裂け目から巨大な怪物(KAIJU)が出現。人類は団結し、英知を結集した人型巨大兵器イェーガーを開発する
  2. 2. 「パシフィック・リム」は暑い夏を乗り切るにふさわしい熱い映画

    • [今昔映画館(静岡・神奈川・東京)]
    • August 11, 2013 01:09
    • 今回は、新作の「パシフィック・リム」を丸の内ピカデリー3で観てきました。3Dと2Dの交互上映でしたけど、やはり観るなら2D。この類の映画には珍しくビスタサイズでした。 2013年に海底から怪獣が現れ、都市を破壊します。そんなことが度重なったため、対怪獣兵器
  3. 3. パシフィック・リム

    • [いやいやえん]
    • December 17, 2013 15:08
    • かかか、KAIJU! ギレルモ・デル・トロ監督作品。巨大モンスターを「KAIJU」とよぶ事からも分かるとおり、かなり日本の特撮映画をリスペクトしています。どうやら昔日本の特撮をみてたようですよ(放送してたの?)。 対KAIJU兵器「イェーガー」には精神的負担の軽減か