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映画ノート

【映画】バスキア

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 バスキア(1996 アメリ
原題:Basquiat
監督:ジュリアン・シュナーベル
脚本:ジュリアン・シュナーベル/マイケル・トーマス・ホルマン
出演:ジェフリー・ライト / クレア・フォーラニ/ マイケル・ウィンコット/ デヴィッド・ボウイ/ デニス・ホッパー/ ゲイリー・オールドマン/ ベニチオ・デル・トロ / ウィレム・デフォー/ クリストファー・ウォーケン

【あらすじ
1979年、壁に落書きするグラフィティスタイルで独自の世界観を表現していたバスキアは、徐々にその実力を認められるようになる。

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感想
1988年に 27歳で亡くなったアーティスト、ジャン=ミシェル・バスキアの伝記映画。
潜水服は蝶の夢を見る』のジュリアン・シュナーベルの監督デビュー作品です。

主役はバスキアを演じるジェフリー・ライトですが、「イギリス男優50人斬り」につき、今日は主に共演のデヴィッド・ボウイゲイリー・オールドマンについて書きます。
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まずはオールドマン。
登場人物のほとんどが実在の人物という中、オールドマン演じるアルバート・マイロは架空の人物です。実はこの役に監督は画家でありバスキアと親交のあった自身を投影したんですね。家の廊下にバスキアが排尿するのも監督の家で実際にあったこと。オールドマンの娘として登場するのは監督の実の娘です。

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ボウイ演じるアンディ・ウォーホルポップアートの旗手として有名ですが、バスキアとも親交があった人。
映画の中でバスキアの恋人ジーナが「ウォーホルはバスキアを利用している」と言うシーンがあるように、世間ではそういう噂も立っていたようだけど、監督はウォーホルをバスキアのメンターであり父親のような存在として描きたかった様子。ボウイ自身は頭角を現した新しい才能に敬意を表しつつ、自分の知識を与え、ともに成長しあう存在として演じたとのことで、当人をよく知る監督と、アーティストとしてウォーホルを尊敬するボウイ、2人とも引けないものがあるらしくらインタビュー動画で少し気まずい空気が流れてました。

それでもボウイの演技には監督も絶賛で、本物のウォーホルが着用していたという銀髪のウィグをつけ、世間を見る空虚さや反発心を目で表現したボウイが凄くいい。
劇中バスキアキャビアを買って、ウォーホルが3000ドルをカードでポンと払うシーン
これは「お前なんかに買えないだろう」という態度の店員をバスキアが見返す場面として描かれてますが、成功の影には世間の偏見や中傷にもさらされてきたんでしょう。
ちなみに実際に一緒にキャビアを買ったのはウォーホルではなく監督だったらしいですよ。

ジャンキー仲間で何言ってるのかわからないベニー役のベニチオ・デルトロには吹き出したけど、ラストシーンにはベニーのやさしさが救いに感じられて心が温まった。

初監督のインディーズ作品にもかかわらず、デニス・ホッパークリストファー・ウォーケンなど著名な俳優陣や多くのミュージシャンが参加してるのもアーティストへの共感とリスペクトがあるからこそ。

時に洗脳ビデオを見てるような感覚に陥る映像も面白かったし、アーティストによるアーティストの映画としてユニークさを楽しみました。

ちなみにこちらバスキアの作品
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私も描けそうな気がする・・・w





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