【映画】さすらいのカウボーイ
さすらいのカウボーイ(1971)アメリカ原題:The Hired Hand監督:ピーター・フォンダ
あらすじ
カウボーイのハリーは、7年もの放浪生活を終えて、妻子の待つ故郷に帰ってきた。しかし、平穏な生活を望んだ彼に、親友の危機の報せがもたらされ・・
感想
ウェスタンをもう1本
『イージー・ライダー』の次に撮った本作で、フォンダは妻子を残し7年も放浪生活を送る男ハリーを演じています。
しかし放浪にも疲れを感じ、直前に殺された仲間を葬り、
7年間ともに旅するアーチ(ウォーレン・オーツ)を連れ立ち妻の待つ故郷へ・・。
幻想的とも言える映像にメローなメロディがかぶさり
まるで音楽ビデオをみているような感覚に陥ります。
フォンダはこんな美しい映画を撮る人だったんだな。
なぜハリーは7年間もさすらっているのか
川に浮かぶ少女の死体に涙を流し、西海岸に夢を求めた若者ダンは
ベトナムで命を落とす若者の象徴でしょうか。
夢の先に何もないことを知る抜け殻のようなハリーは
妻子との暮らしに生きる場を求める
平穏に経過していたとしても、やがてそれも破綻していたでしょう。
ハリーが唯一心を開き、分かりあえるのはアーチのみ。
さすらうもの同士にしか分からない強い絆が2人にはあるわけですが・・
これってある意味『イージー・ライダー』meets『ブロークバック・マウンテン』
たそがれっぱなしのフォンダよりも、アーチを演じるウォーレン・オーツの包み込むような優しさが印象的です。
女性の立場からすると奥さんがとにかくお気の毒でしたね。
しかし作品としては、凄く好き。
西部劇をニューシネマで描くと言う点でも異色でしょう。