【映画】愛と死の谷
愛と死の谷(2015) フランス
原題:Valley of Love
監督/脚本:ギョーム・ニクルー
出演:イザベル・ユペール /ジェラール・ドパルデュー/ダン・ワーナー
【あらすじ】
元夫婦のイザベルとジェラールは半年前に死んだ息子から届いた手紙に従ってデスバレーにやってきた
【感想】
お盆も近くなったので、スピリチュアルな映画を観ていこうと思います。
まずは、イザベル・ユペール、ジェラール・ドパルデュー共演のミステリードラマから。
イザベルと俳優のジェラールは、自殺した息子から受け取っていた手紙に導かれカリフォルニアのデスバレーにやってきた元夫婦。手紙には日付と場所が明示されていて、そこで死んだ息子と再会できる旨が書かれていたんですね。
そうして久々に顔を合わせる二人が酷暑のデスバレーで過ごす一週間を描きます。
果たして二人は死んだ息子に逢うことができるのでしょうか。
バカバカしいと思いつつも、元妻イザベルに会うことを内心楽しみにしている風のジェラール
一方のイザベルは半信半疑ながら息子に会いたいと思っている。夫との再会は息子に会うための「条件」でしかなく、ジェラールが岩のように太っていようが、別にどーでもいいといった様子。
その温度差が滑稽でもあって、ベテラン二人の演じる元夫婦のかみ合わなさが絶妙です(笑)
そんなわけでシュールなコメディなのかと思いきや、悲嘆が画面を覆ったり、ついにはスーパーナチュラルな方向へと展開していきます。
実は監督自身がデスバレーで不思議な体験をしていて、それがこの映画を作るきっかけになったとのこと。
デスバレーに神秘性があるのかどうかは知りませんが、気温が50度を超える異様な空間だからこそ精神が研ぎ澄まされ、人は限界まで心をさらけ出せるのかもしれない。
小さなユペールとデカすぎるジェラール
喪失のリアリティと大自然とスーパーナチュラルと
それらのアンバランスが絶妙なバランスを保った不思議な映画。
彼らの体験に明確に答えを打ち出すものではないけれど、何か心が浄化される気がしました。