しまんちゅシネマ

映画ノート

【映画】ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷


 
あらすじ
娘と夫を突然の病気で次々と亡くした未亡人サラ・ウィンチェスター(ヘレン・ミレン)はウィンチェスター銃によって命を落とした人々の亡霊から逃れる為、一族の膨大な財産をつぎ込み365日24時間、妄信的に屋敷の増改築を繰り返していた。サラの精神鑑定のために“ウィンチェスターハウス”に送り込まれた精神科医のエリック(ジェイソン・クラーク)は屋敷の中に厳重に閉じられた禍々しい部屋があることを発見する・・・。

ホーンテッドマンションとして知られるウィンチェスターハウスにまつわる 実話をベースにしたホラーです。
音でビビらす系のホラーに耐性が低くなったもので、劇場鑑賞を見送ったんですが、DVDになったので観ました。
 
ウィンチェスターと聞いてウィンチェスター銃を思い浮かべる西部劇ファンは多いでしょう。
性能の高さから製造元であるウィンチェスター家は大変な財を築くものの、銃で命を落とした人により呪われ、しかも死者の魂を鎮めるために、家を増築し続けなきゃいけなかったなんてね。これが実話だってことにまず驚き。どうしてこれが今まで映画にならなかったかな。私が知らないだけか?
 
ま、でも、確かにそれだけだと ただのお化け屋敷なわけで
つまんないかなってことで、精神科医の役を作ったんでしょうね。
ジェイソン・クラーク演じるプライス医師は、女遊びに明け暮れ、しかもアヘン中毒。
別段名医というふうでもないプライスにお呼びがかかったのは何故なのか。その辺りをミステリアスに描いたのはいい。ただ謎を後半まで引っ張りすぎるため、キャラが曖昧で、せっかく彼の目線で一緒に恐怖を体感できるのだけど、物語を引っ張り切れないのはいただけなかった。
 
あと、納得がいかないのが、スピリチュアルなものの扱いなんですよね。それで解決になるのかと、ちょっとモヤモヤ。個人的には迷える魂は浄化させてあげたかった。そしたらもっと優しいホラーになったんじゃないかな。
題材もゴシックな雰囲気もいい。映画に厚みを与えるヘレン・ミレンの存在も良かっただけに、少し残念に思ったのでした。
監督/脚本は『プリデスティネーション』のスピエリッグ兄弟サラ・スヌークもウィンチェスター夫人の姪の役で登場します。
日本公開は6月。
 
ちなみにウィンチェスターハウスは今もカリフォルニアのサンノゼに存在し、観光名所にもなっているそうですよ。
エンゼルス戦観戦ツアーのついでに訪れてみてはいかがでしょう。
私は遠慮しておきますけど。

映画データ
製作年:2018年
製作国:アメリカ/オーストラリア
監督:マイケル・スピエリッグ
脚本:マイケル・スプエリッグ/ピーター・スピエリッグ
出演:ヘレン・ミレン
   ジェイソン・クラーク
   アンガス・サンプソン