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映画ノート

ハリーの災難

1955年(米)監督:アルフレッド・ヒッチコック出演:エドマンド・グウェン/ジョン・フォーサイスシャーリー・マクレーン/ミルドレッド・ナトウィックローヤル・ダーノ/ジェリー・メイザース【ストーリー】バーモントの田舎町。狩りをしていた船長が山で男の死体を発見する。男の名はハリー。船長は自分が間違えて撃ってしまったと思い、死体を隠そうとする。しかし妻は自分が殴ったために死んだと思い、彼を殺したと主張する人物は他にも存在していた。彼らは誰が真犯人が知らぬまま、ハリーの死体を担いで犯罪を隠蔽しようとするが……。

 

  3度の埋葬。。。くらいじゃないよねノ∀≦。)ノ

 

る~さんのところの「死体」特集の時に紹介された作品です。

 

ヒッチコックってあまりにも有名なのに、「サイコ」や「」といったウルトラ代表作以外はあまり知らないんですよね~。
本作はそのちょっと怖めのスリラー的代表作に比べると、かなりほんわかなコメディタッチ。

 

ここで登場する死体のハリーさん。ちょっと見「ボラット」のサシャ・バロン・コーエン似です。
といっても、彼に台詞はなく、とにかくずっと現場に横たわり、足下からのカメラアングルで大映しされる靴の裏でのご出演。

このサシャ・バロン・ハリー(笑)が、なんでここに死体として転がってるかっていうのは後々分かってくる訳ですが
物語は、この死体に関わる4人の人々の長い一日を描いたスリラー喜劇です。

 

トミー・リー・ジョーンズ監督作「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」って映画がありましたが、
このハリーさんは3度くらいじゃすまないんですよ。
ハリーを殺したと思う人や、彼には死んでいてもらわなければならない人たち、それぞれの思惑が入り乱れ
埋められては掘り起こされ、掘り起こされてはまた埋められ(笑)

 

本を読みながら歩いていて、死体につまずいても気付かない(それも何度もw)医者などドリフネタ?と突っ込みたくなるような、ベタなおかしさ満載。



抜けるような青空に紅葉が映える山間の風景も美しく、なんだか清々しい気分にさせてくれます。

 

死体が主人公であること自体かなりブラックな訳ですが、
船長を演じたエドマンド・グウェンの優しくおっとりした雰囲気が、映画全体にとぼけた感じを醸し出します。
ハリーの妻シャーリー・マクレーンはこれが映画デビュー。若くてキュートです。
 
死体を巡るドタバタ劇。みんなの願いは叶うのでしょうか。
たまにはこんな楽しいヒッチコックもいいんじゃない?




★★★*☆