しまんちゅシネマ

映画ノート

WALL・E/ウォーリー


2008年(米)監督・原案・脚本:アンドリュー・スタントン声の出演:ベン・バート/エリサ・ナイト/ジェフ・ガーリン/フレッド・ウィラード/ジョン・ラッツェンバーガーキャシー・ナジミー/シガーニー・ウィーヴァー【ストーリー】人類が新たな入植地を求め宇宙へと去ってから長い年月が経つ29世紀の地球。そこでは700年間、一体のゴミ処理ロボットが人間たちの残したゴミを独り黙々と片付けている。そのロボットの名はウォーリー。長い年月の中で、次第に感情が芽生えていった彼は、ゴミの中から宝物を見つけてはコレクションすることをささやかな楽しみにしていた。そんなウォーリーの前にある日、ピカピカのロボット“イヴ”が現われる。彼女の気を惹こうとコレクションの1つ“ヒョロっとした植物”を見せるウォーリー。だがその瞬間、イヴは動かなくなり、宇宙船にさらわれてしまう。実は、彼女には地球の運命を左右する重大な秘密が隠されていた。ウォーリーはイヴを救うため、未知なる宇宙へ旅立つのだが…。
■感想
ウォーリーはお掃除ロボット。誰もいない地球で一人黙々とゴミを集め、ブロックに固めては積み上げる。そんな日々。
地球をこんなゴミの山にしてしまった人間は、すでに地球を700年前に去り、宇宙に浮かぶ母船に移り住んでいるらしい。

ウォーリーの孤独な姿と、キュートな仕草に冒頭から引き込まれました。
彼の唯一のお友達はゴキブリ。趣味はゴミの中からお宝を収集する事。
コレクションにはルービック・キューブやカセットなど60年代~80年代の懐かしのアイテムがいっぱいなのです。

今から700年後なんて、随分先のお話のはずなのに、ウォーリーの周りにはノスタルジーが溢れています。
お家(元ゴミ収集車)の中は彼が集めたレトロな家電や玩具がいっぱいだし、お気に入りのビデオも懐かしのクラシック。
BGMはルイ・アームストロングの『薔薇色の人生』。これがまたいいんだ。

こんなにもいい時代があって、地球は美しく輝いていたはず。
それだけに、物質世界にまみれ、地球さえも捨ててしまった愚かな人間の未来像には驚愕してしまいます。

こちらのスーパーなどでは、足の不自由な人のための電動カートが置かれていて、利用している人が多いのですが、
どう見ても、太りすぎて歩けない状態の人が多いのですよ。その姿と、未来人の姿が重なってしまいました。

そんな現代社会への警告を含めながらも、この映画はウォーリーのラブストーリーでもあります。
ある日、地球探索にやってきた未来型のロボットイヴに恋してしまうウォーリー。
自分のコレクションを見せたりと健気なウォーリーがとにかくキュート。

なんかね~。ウォーリーの世界がとってもピュアで胸キュンなんですよ。うん。

今、私たちは大事なことを失いかけてるのではないか。。
でも今ならまだ間に合う。そんなメッセージを感じたし、
愛する人への思い、大切な地球への思いに、何だか感動して涙があふれる。そんな素敵な作品でした。

ちなみにウォーリーがお家で観ているビデオ『ハロー・ドーリー!』は、1969年のミュージカル。
この映画の中で恋する二人が、手を取り合って愛を伝える仕草が、
「I love you」もないままに手を繋ぐウォーリーとイヴにピッタリという事で選ばれたようです。






★★★★*