しまんちゅシネマ

映画ノート

エレジー


2008年(米)監督:イザベル・コイシェ出演:ペネロペ・クルスベン・キングズレーパトリシア・クラークソンデニス・ホッパーピーター・サースガードデボラ・ハリー/ソニヤ・ベネット/ミシェル・ハリソン/チェラー・ホースダル【ストーリー】老境を迎えつつあるデヴィッド・ケペシュは名の売れた大学教授。これまでの人生で、恋愛においては心の結びつきよりも刹那的な快楽を謳歌してきた男。ある時、そんな彼は30歳も年の離れた学生コンスエラ・カスティーリョの美貌に目を奪われる。デヴィッドとは対照的な恋愛観を持つコンスエラだったが、やがてふたりは恋に落ちる。そして、完璧な乳房を持つコンスエラの肉体の虜となってしまうデヴィッド。親友である詩人のジョージは深入りするなと忠告するが‥。
■感想
30歳の年の差がある男女の恋をゆくえを描く大人の恋の物語です。

大学教授の老齢のボブ・キングズレーと、24歳の大学生ペネロペ・クルスの恋。
観るまでは、30歳も年上の、、しかもスキンヘッドのキングズレーにペネロペが本気で惚れるかなぁ、、
なんて思ってました(ごめんなさい)。



でもペネロペがとっても魅惑的で、キングズレーが惚れ込むのも無理ないね、と思ってしまうんだな。
これまでも一時の快楽で若い子を物色してきたキングズレーが
いつのまにやら完全にのめり込み、若い男と身体を重ねるペネロペを妄想しては嫉妬に暮れる。
若さにはどうやっても太刀打ちできない訳で、、キングズレーの情けなさ、もどかしさは凄くわかる。。

それでも、そんな二人の純愛を淡々と見せられたら、やっぱ、ありえないし!と感じたかもしれないんだけど、
この映画、脇に実に現実的なキャラクターを配することで、主演二人の純愛を引き立たせることに成功してると思うのね。

まずデニス・ホッパー
粋な男はこうあるべきとキングズレーを諭す、長年の友という役所で、映画に現実味と奥深さを与えています。
デニス・ホッパー味があるね。久々にいいわぁ。
そしてキングズレーの長年の愛人のパトリシア・クラークソンがまたいいのですよ。
最初はドライに決めてたのに、途中から違ってくる。
老いていくことの寂しさ、一人生きていくことの心もとなさを女性の立場から思い知らせてくれるんです。

あー、切ないよ~と思ってしまうのは、自分も老いを感じる年齢に差しかかったからかな。
だから登場人物の誰の思いにも共感できて、その上で二人の恋にも納得できました。

若者よりも、ちょっと歳いってからの方が惹かれる作品かもですね。良かったです。



★★★★☆