しまんちゅシネマ

映画ノート

トゥー・ラバーズ<未>


2008年(米)監督・脚本:ジェームズ・グレイ出演:ホアキン・フェニックス/グウィネス・パルトロー/ヴィネッサ・ショー/ロザリオ・ロッシリーニ

バレンタイン・ロマンス特集 第3弾

■感想
都会の片隅に生きる男女の愛の選択を描くヒューマンドラマ。
俳優引退を宣言したホアキン・フェニックスの最後の作品・・らしいです。

冒頭、クリーニングの服を引きずりながら橋を歩く若者が、欄干を乗り越え川に飛び降りる
ちょっとショッキングなシーンから始まるのだけど、
これがホアキン演じる主人公のレオナルド

恋人に捨てられ精神を病み2年。
ロシア系ユダヤ人の両親が営むクリーニング業を手伝いながら
ブルックリンのアパートに暮らす彼は、時々突発的な自殺行為に走ってしまうものの
薬を飲みつつ、どうにか回復を果たしている様子。

そんな息子を心配する両親は、同業の娘のサンドラ(ヴィネッサ・ショー)を引き合わせ
家族公認の付き合いが始まります。

そんな時、同じアパートに住むブロンドの美女ミシェル(グウィネス・パルトロー)と知り合い、
レオナルドは一目でノックアウト!
でも、ミシェルには不倫の恋人がいたのよね。。

手痛い失恋を経験し、回復過程にあるレオナルドの心は
サンドラとミシェル、二人の女性の間で揺れに揺れるんですなぁ。

サンドラは同じユダヤ人家族で育ってるし、二人の結婚は家業のためにも最良。
献身的な愛を示してくれる彼女は地味だけど安心感のある存在。

だけど都会的でエキセントリックなミシェルの魅力には抗いがたく、、、。

『(500)日のサマー』同様、典型ロマンスな結末を期待すると裏切られます。
レオナルドの最後の選択にはちょっと驚くし、共感できない部分もある。
でも恋するときのドキドキや、木っ端微塵に打ち砕かれる切なさや
家族の監視下にある閉塞感やら、心の開放にかける気持ちやら、、、
レオナルドの思いはすごく良く分かって、一緒にハラハラドキドキしたり
胸がきゅんとなったり。ホアキンの演技から目が離せませんでした。
終わっても心配は残っちゃったしなぁ。

ミシェルを演じたグウィネスも、自分のダメさ加減は分かってるけど、不倫もドラッグも
やめられない、そんな弱さと奔放さを併せ持つ都会の女性を好演し
インディペンデント・スピリット賞でも主演女優賞にノミネートされてます。

『リトル・オデッサ』のジェームズ・グレイ監督もインディペンデント・スピリット賞で監督賞にノミネート。
トマトメーター83%と評価の高い作品だけどまだ日本での公開情報はないですね。

ホアキン最後だし、公開しようよ。
って、誰に言ってるんだか^^;

★★★★☆