自転車泥棒
■感想
今頃観たんかい!シリーズ^^;
今日はずっと気になってたヴィットリオ・デ・シーカの『自転車泥棒』を
戦後間もないイタリアを舞台に、貧困とその中で生きる親子を描いた作品ですね。
仕事をなくして久しい主人公が、ようやくポスター張りの仕事にありつくところから物語は始まります。
仕事には自転車が必要とあって、シーツを質に出しようやく自転車を手に入れたのに
なんと仕事初日に盗まれてしまうんですね。
仕事には自転車が必要とあって、シーツを質に出しようやく自転車を手に入れたのに
なんと仕事初日に盗まれてしまうんですね。
あわてて犯人を追いかけるものの、見失う。警察に届けてもらちがあかない。
仕方なく主人公と息子ブルーノ父子は自分たちの力で自転車泥棒を探そうとしますが・・・。
仕方なく主人公と息子ブルーノ父子は自分たちの力で自転車泥棒を探そうとしますが・・・。
ストーリーはこれ以上ないというほどシンプルですが
その中に戦後のイタリアの様子がぎゅーっと詰まってるんですね。
道でアコーディオンを弾いて小金を得る子供がいたり
主人公たちの登場シーンの傍らの、さりげない映像で時代を映す演出が見事です。
その中に戦後のイタリアの様子がぎゅーっと詰まってるんですね。
道でアコーディオンを弾いて小金を得る子供がいたり
主人公たちの登場シーンの傍らの、さりげない映像で時代を映す演出が見事です。
質屋の倉庫に自転車の質草であるシーツを保管する様子なんか、
『未来世紀ブラジル』風SF映画を観るような感覚になりました。
すっごい高さまでおじさんがはしごも使わずスイスイと上って、天井付近の棚にしまうんですよね。
質屋の窓口にできた行列を見ても、その背景が窺い知れます。
『未来世紀ブラジル』風SF映画を観るような感覚になりました。
すっごい高さまでおじさんがはしごも使わずスイスイと上って、天井付近の棚にしまうんですよね。
質屋の窓口にできた行列を見ても、その背景が窺い知れます。
暮らしぶりだけでなく、人についても、どことなく昔の日本に通じるところがあるような。
自転車泥棒にあったときも、通りがかりの車が追いかけてくれるし。
自転車泥棒にあったときも、通りがかりの車が追いかけてくれるし。
人の痛みがわかるから助け合う。今となってはちょっと懐かしいような人情を感じます。
父子はオーディションで選ばれた素人だったらしいけど、素朴さがぴったり嵌ってますよね。
自転車がなければ仕事を失う。。それがどれほど哀しいことかが伝わります。
ラストは思わぬ悲しい展開になり・・・。
顔をゆがめ、ついに父親がしゃくりあげ始めると
父の悔しさ、悲しさを誰よりも知っている息子がそっと手を繋ぐ・・。
ここでたまらず涙がこぼれました。
ラストは思わぬ悲しい展開になり・・・。
顔をゆがめ、ついに父親がしゃくりあげ始めると
父の悔しさ、悲しさを誰よりも知っている息子がそっと手を繋ぐ・・。
ここでたまらず涙がこぼれました。
切ないお話ながら、リアリティがあって、必死に生きる人々の姿が心に残ります。
取らぬ狸の皮算用で、もしも仕事を続けることができたら、どれだけの収入を得ることができると
息子に語り、書き留めさせるシーンは微笑ましくて好き。
取らぬ狸の皮算用で、もしも仕事を続けることができたら、どれだけの収入を得ることができると
息子に語り、書き留めさせるシーンは微笑ましくて好き。
さすが名作!な1本でした。