しまんちゅシネマ

映画ノート

キッズ・オールライト

 
2010年(米)
監督:リサ・チョロデンコ
出演:アネット・ベニングジュリアン・ムーアマーク・ラファロミア・ワシコウスカジョシュ・ハッチャーソン
■感想
これは劇場見逃してしまったのだけど、DVD発売当日の今日、お店に走りました~。
午前中に行ったのに、最後の一枚だった、セーーーフ!!

アネット・ベニングジュリアン・ムーアレズビアンカップルを演じ、話題になったファミリードラマです。
監督は人気ドラマ『Lの世界』のリサ・チョロデンコ
 
アネットとジュリアンはレズのカップルなんだけど、ちゃんと結婚もしていて子供も2人いる。
しかもこの姉(ミア・ワシコウスカ)と弟(ジョシュ・ハッチャーソン)、母親は別だけど、父親は同じ。
何故なら、母たちは精子バンクを利用し、一人のドナーの精子でそれぞれに妊娠していたから。
映画は18歳になった娘ちゃんが、精子バンクを通じ、ドナーである男性(マーク・ラファロ)と
コンタクトを取るところから始まります。
自分たちの父親(生物学上ね)がどんな人か知りたいわけです。
 
でも、そのことはママとママと子供二人、形は違えども幸せに暮らしてきた家族が
それまで保ってきたバランスを壊すことになってしまうんですね。
さて、家族はどうなるのか、そんなお話です。
 
舞台となるカリフォルニア州は同性の結婚を許可してるのだけど
あー、こういう問題も出てくるなぁと考えさせられます。
父親の出現は、それまで一家の父親的存在だったアネットの存在価値を揺るがすことになり
そうして一旦均衡を壊すと、家族というのは厄介なもので次々にほころびが生じ始める。
 
この映画が凄いなと思うのは、大抵のメロドラマではあいまいにしそうなところにも踏み込んでる点。
互いに尊敬できるか、歳をとっても情熱を持ち続けられるか、
浮気についてとか、経済的なところとか、
ゲイに限らず、どの家族にも起こりえる普遍的な問題に真っ向勝負してるんですよ。
 
これに真っ向勝負するから痛い部分もある、
でも雨降っても家族でドスンドスンやって地を固めちゃうたくましさがあります。
 

タイトルにもあるように「子供たちは大丈夫」と言えるラストの清々しさ。
最後には「家族はやっぱり家族なんだ」と暖かい気持ちで見終えることができる秀逸なドラマでした。
 
オスカー最有力候補と言われるアネット・ベニング
サバサバとちょっぴり男らしい部分を見せながらも、繊細な心の揺れを見事に表現しています。
 
トマトメーター96%

作品賞ノミネートにも期待しちゃいます。