しまんちゅシネマ

映画ノート

カンパニー・マン

 
 
2002年(アメリカ)
監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ
出演:ジェレミー・ノーサム/ルーシー・リューナイジェル・ベネット/ティモシー・ウェッバー/デヴィッド・ヒューレット
■感想
CUBE』のヴィンチェンゾ・ナタリ監督による近未来サスペンスです。
 
平凡な会社員・モーガンジェレミー・ノーサム)は、日々の閉塞感を打ち破りたいという願いから
産業スパイになるべくデジコープ社の面接を受ける。
ジャック・サースビイという名前を与えられ、
新しい自分を作り出すことに興奮を覚えるモーガンだったが
耐えられない頭痛とフラッシュバックに襲われ、憔悴していく。
そんな中、コンベンション会場のバーで会った謎の女リタ(ルーシー・リュー)は
モーガンにデジコープ社にまつわる、とんでもない事実を告げるのだった・・・
 
まぁちょっと言っちゃいますが、とんでもない事実とは、
デジコープ社は完全な産業スパイを作り出すため
スパイ候補者たちを洗脳しているということなんですね。
洗脳に失敗すれば、抹殺されかねない ということで この辺りがサスペンスで面白いんですが
いやはや、二重三重にアイデンティティが絡み合うといいますか
産業スパイを送り出す会社の関係がちと複雑なのもあって
実は一度目、置いてけぼりをくらいました。頭悪っ(泣)
 
2度観てもまだ完璧ではないんだけどw
見返してみると、登場人物の台詞や表情に色んな含みがあって、これが面白いんです。
 
 
ナタリ監督の描く世界観ってやっぱり凄い
コンベンション会場の洗脳シーンなんて、アニメ的な面白さだし
エレベーターなど、洗練された近未来の映像にうならされました。
 
そして何よりもモーガンを演じるジェレミー・ノーサムがいいわぁ。
恐妻の尻に敷かれる、うだつのあがらない男が(恐妻との絡みのシーンは最高!w)
産業スパイの仕事に新しい自分を見出し、自信を付けていく様子は
『トゥルー・ライズ』のジェイミー・リー・カーティスを彷彿とさせます。
あ、セクシーダンスはないですけどw
途中から、あれ、この人、こんなに格好良かったっけ?って顔まで変わって見えるほど
変化する人格を演技で見せ切るところにも脱帽。
ラストシーンは全くの別人に見えました!
 
巻き込まれ型サスペンス仕立てで見せるツイスト系SF
2度見てさらに楽しめる作品でした。