しまんちゅシネマ

映画ノート

ミッドナイト・イン・パリ

 
 

Cinema de しりとり 15回目 【み】

今日は『ジュリエットからの手紙』から繋がって、「み」で始まる映画
今年のカンヌ映画祭のオープニングを飾ったウディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリス(原題)』
パリを舞台に、アメリカ人作家ギルにおきた不思議な出来事を綴る、ファンタジーなお話です。
ミッドナイト・イン・パリ(2011)アメリ
監督:ウディ・アレン
出演:オーウェン・ウィルソン/レイチェル・マクアダムズ/マリオン・コティヤールマイケル・シーン/コリー・ストール/キャシー・ベイツ
     
■感想
オーウェン・ウィルソン演じるのはハリウッドで脚本家として働くギル。
そこそこ成功を収めていはいるが、自由に書きたいものを書ける小説家になることを夢見ている。
そんなギルが崇拝するのが、1920年代に活躍した作家たち。
彼らを生み出したパリもまた、ギルの最も愛する場所で
婚約者イネス(レイチェル・マクアダムス)との婚前旅行に、パリを選んだのもそんな理由からでした。
 
もうね、冒頭のパリの風景が凄く素敵なのですよ。
「雨のパリが最高」というギルの言葉に大きく頷いてしまうほど、
そぼ降る雨に濡れる暮れなずむパリの美しいこと!
トレーラーも見てほしいけど、モネの絵画から抜け出たようなシーンなど
映像の美しさにうっとり。ポスターもちょっとゴッホっぽいかな。

 


さて、婚前旅行にきたのはいいけど、イネスのもっぱらの関心は観光とショッピング。(普通よねw)
雨のパリの美しさを語るギルとは、根本的にタイプが違う、現代的な女性なのね。
ある晩、友人とダンスに繰り出すイネスと別行動をとったギル
深夜を回ったところで、どこからともなくクラシックな大型タクシーが現れ
乗客たちに誘われるまま、ある酒場へと同行するのですが
酒場に集う面々のなんとレトロなこと! これは??
 
って、どんなお話よという感じですが(笑)
ちょっとネタばれしちゃいますが、
これはギルの憧れる1920年代へのタイムスリップモノなんですよね~。
名だたる小説家や、画家たちがこんな風に集っていのかと想像するだけでもワクワクでしょ。
勿論まだ彼ら自体が、レジェンドになるなんて知らないわけで
彼らの未来の名声を知ってるギルとの会話が絶妙です。
こんなおいしいこともあったりして~

オーウェンは、ウディが若かったら彼自身が演じていたと思われるウディキャラを
演じていて、とってもよかった。
 
ギルが見たのはなんだったのかなんて野暮な説明なしに
不思議でロマンティックなお話に仕上げてます。
ウディ作品苦手意識があったのだけど、これは本当に素敵。
 
旅というのは、何かと自分を見つめなおすきっかけになるのですね。
過去に憧れることもいいけれど、それは時として現実逃避かもしれない
ちゃんと今の自分を見つめることも大事よねと思わせてくれる映画でした。