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映画ノート

アバウト・シュミット


ビバ!敬老!!!

今日は定年を迎えた初老の男の悲哀を描く『アバウト・シュミット』。
監督は『ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!』『サイドウェイ』のアレクサンダー・ペインです。
アバウト・シュミット(2002) アメリ
監督:アレクサンダー・ペイン
出演:ジャック・ンニコルソン/キャシー・ベイツホープ・デイヴィスダーモット・マローニー/ハワード・ヘッセマン レン・キャリオー
タイトルにあるように、これはシュミットさんの物語だけど
中年に差し掛かったと自覚するあなたに ぜひ観て欲しい作品です。
 
ジャック・ニコルソンが演じるのは66歳、初老の男。
定年退職を迎え、生活に張りをなくしたところにもってきて、突然の妻の死
ポッカリ開いた心の穴をどうすりゃいいの
 

思えば妻のことも、娘のことさえ理解してなかった。
ドイツ人の特性なんだか、
名のある会社で副社長まで勤めあげたわりに、中流なみの佇まいだし、
妻のぬいぐるみのコレクションさえ、金の無駄遣いだと思っている。
挙句、妻の棺おけが安物だったと娘に責められる始末で
結婚を反対された娘は、もはや父への怒りを隠そうともしない

ダブルパンチ、トリプルパンチを受け、戸惑うニコルソンの哀愁がたまりません。
定年し、家で粗大ごみみたいに思われてる悲しき中年って
日本にも結構いそうだし、やたらとリアリティがあってイタいんだよねぇ。
 
そして、見せ場は最後にやってきました。
 
ボロボロに傷つきながらも、それまで淡々と演じてきたニコルソンの
ラスト10秒ほどの演技に 心底やられた、泣かされた~。
 
彼は、最後に会ったこともないアフリカの里子との繋がりに、安堵するというか、
あぁ、自分でも役にたつことがある と感じただろうし、それが感動にも繋がるのだけど
一方で、彼の孤独な思いは残ってしまうところに切なさも滲ませるんですよね。
老人が悲しいのは、この世に存在してる意味を見失ってしまうことでしょうね。
生きてるのに、まるで透明人間みたいに、誰からも何も求められないのって寂しすぎる。
 
これを観た誰もが、自分自身を振り返ることになるんじゃないかな。
大切なものを見落とさないように、愛すべきはしっかり愛していかなきゃなぁ。
そんなことを考えさせられた映画でもありました。
中年必見!(笑)
キャシー・ベイツのサービスショットもあるよw

 
ペーソスたっぷりにシュミットを演じたニコルソンは、ゴールデングローブ主演男優賞を受賞。 
ラストシーンではこんな繊細な演技もできるんだと、改めて感心したしだい。
 
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