しまんちゅシネマ

映画ノート

アジャーニの狂気『ポゼッション』

 
ハロウィンホラー特集
イザベル・アジャーニ
が妄想にのめりこむ人妻を演じ
カンヌで女優賞を獲得した『ポゼッション』観ちゃいました~。
 
ポゼッション(1981) フランス/西ドイツ
監督:アンジェイ・ズラウスキー
出演:イザベル・アジャーニサム・ニール/ハインツ・ベネント/マルギット・カルステンセン
ヨハンナ・ホーファー/カール・ドゥーリング/ショーン・ロートン/ミシェル・ホーベン
 
ポーランドの出身のアンジェイ・ズラウスキー監督の描く、愛と狂気の作品です。
 
 
舞台はベルリン・・あ、そうだったの?みんな英語で話してましたが(^~^;)
単身赴任から戻ったマルク(サム・二ール)は妻アンナ(アジャーニ)のつれない態度にがっかり
もしかして他に男が?
勿論いるわさ! アンナは家を出た。
浮気相手ハインツのことを聞き出し、妻に手を出すなと言いに行ったマルクは
セレブなのにカンフーなハインツにコテンパンにやられがっかり
おまけに、ハインツに第三者の存在までほのめかされ、さらにがっかり。
一人息子ボブを気にして、時々家に帰ってくる妻を問詰めようとするマルクだったが
アンナの行動は次第に常軌を逸していき・・
 
 
なんでしょうね これっ!
孤独が美しい妻アジャーニをこんなにしちゃったんでしょうか。
 
 
とにかくアジャーニの狂いっぷりが恐ろしい。
しかもその狂気は伝染病のごとく、周囲のものを巻き込んでいくんですよね。
allcinemaさんの解説に乗じてネタばれしちゃいますが
アジャーニの狂気はある魔物を生みだすことになるんですな。
しかもそのタコ風魔物とベッドシーンまで演じてしまうアジャーニって(^~^;)
 
いやはや、妄想の産物を他のみんなも見えちゃうってのも「?」だけど
これだけの「負」のパワーをもってすれば、
他人も巻き込むだろうと、妙に納得させられる
ひたすら破滅的な映画でしたね~。
 
アンナに瓜二つな学校の先生にマルクが惹かれていくのはいいとして
マルクも二人現れちゃうのは、なんなんだろう。
私には理解の及ばない世界観でした。
でも最後はやっぱり、アンナの孤独を感じ、切なくはなるんですよね。
 
監督はポーランドの亡命者で
作品にはポーランドの悲劇的な歴史が象徴されてるとのこと・・
そ、そうなんや (;・∀・)
色んな象徴の仕方がありますね。
 
探偵がゲイだったりと、やたらと変態風味なのにはウケますが
『アデル~』のガラス細工のような狂気とはまた違う
壮絶なまでのアジャーニに( ゜o゜!)ポカーンとなってしまう作品でした。