しまんちゅシネマ

映画ノート

ハンナ




ハンナ
2011年(米)

原題:HANNA

【ストーリー】
フィンランドの山奥で元CIA工作員の父に戦闘技術を徹底的にたたき込まれて育った16歳の少女ハンナは、ある任務のためヨーロッパを旅立つ。しかし、父のかつての同僚でCIA捜査官のマリッサがハンナを執ように追跡する。(映画.comより)



今月のキーワード「アイリッシュ
なんでアイリッシュのキーワードでこの映画が出てくるかといいますと
主演の
シアーシャ・ローナンアイルランド人だから(笑)
アイルランドアカデミー賞でもデビュー以来5年連続 賞を受賞する
国民的女優に成長していますね。

本作は、父親を凌ぐ戦士に成長した16歳のハンナが
ついにフィンランドの森を離れることになるが
それは同時にCIA捜査官のマリッサとの対決を意味していた という話で
文芸もののイメージのある
ジョー・ライト監督には珍しく、アクション映画の仕上がりです。

個人的にはこれは、フランケンシュタインものとして面白く観ました。
もっと言うならミュージカル版フランケンシュタインかな。

百科事典的な知識は持ち合わせているものの、
森ではほぼ野生のような暮らしをしていたハンナが外に出て
文明に触れ、父親以外の人と触れ、友を作り、家族と言うものを知る。
初めて目にした電気やシャワーに驚きパニックに陥るシーンなんて
とってもミュージカル的に観えたな。

ハンナが目にする他民族の歌や踊りもエキゾチックで
常に音楽が溢れていたのもそう感じた一因でしょうか。
アクションも何かリズムを感じましたね。

なぜフランケンかは、映画をご覧になった方には判ってもらえると思います。
モンスターである自分を知ることになるハンナの切ない物語でもありました。




強烈だったのはマリッサを演じた
ケイト・ブランシェットでしたね~。
冷徹かつ執拗に任務を遂行するマリッサは、ある意味ハンナ以上にモンスターな存在。
そのストイックさを表現するのに、歯磨きのシーンを採用してるのだけど
電動歯ブラシで血が出るまで磨くんですよね。あれには笑った(笑)

さて、モンスター対決を制すのは、ハンナかマリッサか は観てのお楽しみ。

そんなに強いならハンナは逃げなくてもいいんじゃないか・・とか
森での生活色々など、ツッコミどころはあるけど
ありきたりなアクションものになってなかったところが面白かったです。