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映画ノート

【映画】怪僧『ハーレクィン』

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ハーレクィン(1980)
オーストラリア
原題:Harl Equin/ Dark Forces 
監督:サイモン・ウィンサー
脚本:エヴェレット・デ・ロッシ
出演:ロバート・パウエル/ デヴィッド・ヘミングス/ カーメン・ダンカン/ ブロデリック・クロフォード/ ガス・マーキュリオ
次期副総督就任に期待のかかる政治家ニック・ラストの息子であり、白血病に冒されたアレックスの誕生日パーティが催され
そこには多彩なマジックを操るピエロの姿があった。
その夜出血し重篤な状態に陥るアレックス。
なすすべのないことを告げられた一家の前に現れた謎の男はアレックスに触れ・・


【感想
アトランダム映画祭」のっかり特集7本目
今日は正式コンペ作品からサイモン・ウィンサー監督のオーストラリア作品『ハーレクィン』です。
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あらすじに書いたアレックスの前に現れた謎の人物は、実は昼間パーティにいたピエロで(ハーレクィンは「ピエロ」の意)、グレゴリー・ウルフと名乗るその男に触れられたアレックスは昏睡から目覚め、その後症状を回復させていきます。
絶大の信頼を得たグレゴリーはラスト家に住み着き、アレックスの母の心も奪うことになる
しかしラストの周辺の政治家たちはグレゴリーを警戒。独自に調べを進めグレゴリーを排除にかかり・・という話

HKさんに教えてもらったことですが、
本作はロシアの怪僧として知られるグレゴリー・ラスプーチンの逸話を下敷きにした話だそうで
白血病のアレックスについてはラスプーチンが当時血友病のアレクセイ皇太子の治癒にあたったとされる話をなぞったと思われ、グレゴリーはじめ登場人物のファーストネームも実話の中の関連人物と一致しているし、wikiに書かれているエピソードとも被ります。

そもそもラスプーチン自体が謎に満ちた人物だったらしいので、
グレゴリーって何者?
彼がラスト家に現れた目的は?
その力は本物なのか?と謎づくめ

映画は政治的な陰謀に係ったイリュージョン男の顛末を描くお話になってまして
様々な謎を解きほどこうとしてもつれさせて終わるw
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ただの浮気夫のように登場したデヴィッド・ヘミングスがいつの間にか中心人物となって
陰謀に翻弄されつつも誠実であろうとする政治家だったのは意外な展開。



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特記すべきは 奇抜な衣装、血豆色のマニキュア、特異なメイクを施した端正な容姿で様々なパフォーマンスを披露するグレゴリー・ウルフを演じたロバート・パウエルの存在感ですね。
もともとはグレゴリー役にはデヴィッド・ボウイを想定していたらしい。ボウイでも観たかったな。

しかし、登場時にいちいち鳥を出してくるのはどういう意図だろう。
序盤にプールに鳥の死骸が浮かんでいたのもラストシーンへの伏線でしょう。
グレゴリーがアレックスの美しい母サンドラを食わず、メイドを食ったのは何故かとか
色々に謎は残ったまま。


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この画像のシーンも今どきなら「無理」
実際に崖っぷちで撮影したんだね(汗)
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カルトと呼ばれるのも納得の映画でしたね。
でも面白かった。





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