しまんちゅシネマ

映画ノート

【映画】バード・ボックス

Netflix最後の視聴に選んだのはこれ。
先日スサンネ・ビアフィルモグラフィーから彼女の監督作品だと知ったので。
サンドラ・ブロック主演のNetflixオリジナル作品。ジョシュ・マラーマン原作の同名小説の映画化となるSFスリラーです。

f:id:puko3:20200409133011j:plain

バード・ボックス(2018)
Bird Box

【あらすじと感想】
ある日突然、何かを見ることで人々が自らの命を絶つという未曽有の事態が勃発。世界の終焉が迫る中、2人の子供を連れたマロリーは生き残りをかけ川を渡る。。

世界に突然異変が起き、生き残るためには「それ」を見ないように目隠しをしなくちゃいけない。
いま見ると未知のウィルスが世界を覆いつくし、生き残るためにはマスクをしなくちゃいけない コロナ情勢に被せちゃいますね。

本作の場合、恐怖の対象となる「それ」が何なのかわからない。
観れば死にたい衝動に駆られるとしたら、その種の生物兵器とも考えられるし、はたまた、宇宙人の襲撃もしくは神の仕業なのか
その正体を知りたくて頑張って観たのだけど、最後まで観ても結局よくわからない。
正体が何なのかはどうでもいいということか。

序盤マロリーの描く絵から「孤独」がテーマなのは推察できる。
タイトルと目隠しから考察しようとするならば、現実世界に目を向けず、箱に入れられた鳩のように狭い世界で、そこのみが自分の世界と信じ生きる人間を投影するという話なのかな。

とすれば結末は「目が見えなくても生きていければ幸せよね」とはならないはずで
私にはあの結びをどうとらえればいいのか皆目見当がつかない。

自ら命を絶つ人々のショッキング映像は正直見ていて苦痛だったけれども、不気味な終末世界観は感じられたし、目隠しをしたまま走ったり舟をこいだり、緊迫した雰囲気を醸し出すサンドラ・ブロックも頑張ってはいたと思う。
でも、籠城と川下りの二つの異なった時間帯を繰り返す構成は退屈で、終始つまらないと思いながら観てしまった。

スサンネ・ビアはどうしてこれを監督したんだろう。
強いて、監督の「らしさ」を探すとすれば、マロリーにいささかの成長を感じさせるあたりか。
妊婦時代も子供を養子に出すことを考え、生まれてきた子供に名前すら付けていなかったマロリーは籠城を共にしたトム(トレヴァンテ・ローズ)の存在もあって、人と繋がることの大切さを知り、母性にも目覚めていた。

もっと感じるべきものがあったかもしれないけれど、あとから頭を絞って考えないといけないようなスリラーはアカンよね。


映画データ
製作年:2018年
製作国:アメリ
監督:スサンネ・ビア
脚本:エリック・ハイセラー
出演:サンドラ・ブロックトレヴァンテ・ローズジョン・マルコヴィッチサラ・ポールソンジャッキー・ウィーヴァー