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映画ノート

『レーチェル レーチェル』 ポール・ニューマン初監督作品

ポール・ニューマンが愛妻ジョアン・ウッドワードを主演に、初監督したヒューマンドラマです。

レーチェル レーチェル(1968)

Rachel, Rachel

 

【あらすじ】

35歳の小学校教師レーチェルはコネチカット田舎町に要求の多い母親と暮らしている。15年前に他界した父親はかつて葬儀屋を営んでおり、自宅階下の父の職場で目にした光景や、周囲のいじめを受けていたトラウマに今も囚われるレーチェルは将来への夢も見いだせずにいた。
 
【感想】
田舎町に暮らす小学生教師の閉塞的な日常を描き出す本作は、大スターポール・ニューマンのイメージから想像できないほどに地味なジャンルです。しかし時折挿入されるレーチェルの白昼夢や子供時代のフラッシュバックが不思議な浮遊感やホラー感を醸し出すのが特異で、ニューマンは面白い感覚を持ち合わせているなぁと思わせます。
 
レーチェルは都会からやってきた幼馴染と再会し、初めてデートに誘われる。
ロマンスとしてハッピーエンドには終わらないものの、その出会いが彼女に変化をもたらし、止まっていた歯車が再び動き始めるところに爽快感がありました。
 
 
ジョアン・ウッドワードはレーチェルの心情を繊細に表現して素晴らしい演技。その視線の前に常にニューマンがいたことを想像すると気持ちも上がります。
 
アカデミー賞で作品賞、主演女優賞、助演女優賞、脚色賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞ではニューマン、ウッドワードが仲良く監督賞、主演女優賞を受賞してますね。
日本ではソフト化されてないようだけど、再評価されてもいいのではないかな。
 
 

https://ja.wikipedia.org/wiki/レーチェル_レーチェル